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会社設立が完了すると、多くの方が次に悩むのが法人口座をどこの銀行で作るかという点です。
最近は、GMOあおぞらネット銀行、住信SBIネット銀行、楽天銀行、PayPay銀行などのネット銀行に加えて、三井住友銀行の法人口座Trunkのように、メガバンク系でもオンラインで申し込みやすい法人口座が出てきており、税理士としてもかなりおすすめできます。
一方で、会社設立直後の法人は、まだ売上実績や取引実績が少ないため、どの銀行でも必ず口座開設できるわけではありません。審査で落ちてしまうこともあるのです。理由の一つとしては、起業したばかりの新会社ですと、事業実態が本当にあるのかどうかを銀行が疑うことがあるためです。
この記事では、会社設立直後の新設法人が法人口座を作る場合に、どの銀行を選ぶべきかを、税理士の実務目線で比較します。
なお、新法人の銀行口座開設で提出要求されることが多い事業計画書のテンプレートは下記からダウンロードできます(当税理士事務所作成のもので、無料です)。実際に、銀行の方にも当税理士事務所作成の事業計画書をご覧いただき、適切なものであるとご評価いただいておりますので、ぜひ、お役立てください。
会社設立直後の法人口座選びでは、単に「手数料が安い銀行」を選べばよいわけではありません。税理士として多くの起業家の方々とお話ししてきた経験上、ほとんどの方が手数料を中心に金融機関選択をしようとしますが、新設法人の場合は、次のような点を総合的に考える必要があります。
会社を設立した直後は、税務署への届出、社会保険の手続き、請求書の発行、家賃や外注費の支払いなど、意外とすぐに銀行口座が必要になります。
そのため、まずは早めに作りやすく、実務で使いやすい法人口座を確保することが重要です。
会社設立直後の法人が候補にしやすい銀行を比較すると、次のようになります。
| 銀行名 | 向いている会社 | 主な特徴 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 三井住友銀行Trunk | メガバンク系の安心感も欲しい会社 | 三井住友銀行の法人口座で、他行宛振込手数料145円、オンライン完結型 | 通常の支店口座とは性質が異なるため、取引内容によっては確認が必要 |
| GMOあおぞらネット銀行 | とにかく早く法人口座を作りたい会社 | 他行宛振込手数料が一律130円、口座維持手数料無料 | 対面相談や融資相談には向かない |
| 住信SBIネット銀行 | ネット中心で効率よく使いたい会社 | 他行宛振込手数料145円、条件により最安130円、口座維持手数料無料 | メガバンク名の信用力はない |
| 楽天銀行 | 楽天系サービスを使っている会社 | 知名度が高く、ネット銀行として使いやすい | 他行宛振込手数料は3万円未満150円、3万円以上229円 |
| PayPay銀行 | 小規模法人・ネット決済系の会社 | 他行宛振込手数料145円、PayPay関連サービスとの相性がよい | 融資や対面相談を重視する会社には向かない |
GMOあおぞらネット銀行は、法人向けの他行宛振込手数料を一律130円としています。
三井住友銀行Trunkも他行宛振込手数料145円となります。
住信SBIネット銀行は他行宛振込手数料145円で、振込件数に応じた優遇により最安130円となる仕組みです。
PayPay銀行のビジネス用口座も他行宛振込手数料145円と案内されています。楽天銀行の法人ビジネス口座は、他行宛振込手数料が3万円未満150円、3万円以上229円です。
他行宛の振込手数料が一番やすいのはGMOあおぞらネット銀行となりますが、多くの会社が保有している三井住友銀行の口座に振り込むときに手数料が無料となる三井住友Trunkも手数料の面からは非常に有利となります。
会社設立直後の最初の1口座として考えるなら、個人的には次のような選び方が現実的です。
| 目的 | おすすめ候補 |
|---|---|
| とにかく早く口座を作りたい | GMOあおぞらネット銀行 |
| 手数料と使いやすさのバランスを重視したい | GMOあおぞらネット銀行、三井住友Trunk |
| メガバンク系の安心感も欲しい | 三井住友銀行Trunk |
| 楽天系サービスを使っている | 楽天銀行 |
| PayPayやネット決済との相性を重視したい | PayPay銀行 |
迷う場合は、まずは取引先からの信頼感が得やすい三井住友TrunkかGMOあおぞらネット銀行で法人口座を作るのが現実的です。起業して間もない新法人に対しても、比較的積極的に口座開設してくれますし、手続きもシンプルです。
この2つは、振込手数料が比較的安く、ネットでの使い勝手もよく、会社設立直後の法人でも候補にしやすい銀行です。
三井住友銀行Trunkは、通常のメガバンクの法人口座よりもオンラインで申し込みやすい点が特徴です。三井住友銀行の公式ページでも、Trunkはオンライン完結型で、口座開設は最短翌営業日、他行あて振込手数料145円と案内されています。
三井住友銀行Trunkは、メガバンク系の安心感と、オンライン型の使いやすさを両立したい会社に向いています。
次のような会社には候補になります。
三井住友銀行Trunkは、オンライン完結、最短翌営業日での口座開設、他行あて振込手数料145円と案内されています。月額料金についても、三井住友銀行のFAQにあるように「月額料金はかかりません」とされています。
会社設立直後の法人にとって、メガバンク系の選択肢があるのは大きなメリットです。税理士である私の顧客の中における法人口座人気ランキングをつけるとしたら、三井住友Trunkが一番になると思います。大手銀行の口座を持つことで、取引先に対する信用力を高めたいという理由が大きいようです。
ただし、ネット銀行全般にいえることですが、Trunkはオンライン型の法人口座です。通常の支店取引や対面相談を前提とした口座とは異なるため、融資相談や複雑な取引を予定している場合は、別途確認が必要です。
GMOあおぞらネット銀行は、会社設立直後の法人にとって非常に使いやすい候補です。
特に、次のような会社に向いています。
GMOあおぞらネット銀行は、他行宛振込手数料が一律130円で、口座開設・維持手数料も無料と案内されています。
会社設立直後は、税理士報酬、社会保険料、外注費、家賃、広告費など、少額の振込が何度も発生することがあります。
振込手数料が安い銀行を選んでおくと、地味ですが長期的にはコスト差が出ます。
ただし、GMOあおぞらネット銀行はネット銀行ですので、融資相談や対面での相談には向いていません。将来的に金融機関から融資を受けたい場合は、日本政策金融公庫、信用金庫、地方銀行などとの関係も別途考える必要があります。
住信SBIネット銀行も、会社設立直後の法人口座として有力な候補です。
特に、次のような会社に向いています。
住信SBIネット銀行の法人向け口座は、他行宛振込手数料が145円、振込優遇プログラムにより振込件数に応じて最安130円と案内されています。口座維持手数料も月額基本料金0円です。
また、住信SBIネット銀行では、新規口座開設特典として、口座開設月の当月および翌月は振込手数料が月10回まで無料になる案内もされています。
会社設立直後で振込件数が多くない会社にとっては、かなり使いやすい銀行といえます。
楽天銀行は、知名度が高く、楽天系サービスとの相性を重視する会社には候補になります。
次のような会社に向いています。
ただし、他行宛振込手数料は、3万円未満150円、3万円以上229円と案内されています。GMOあおぞらネット銀行、住信SBIネット銀行、PayPay銀行、三井住友銀行Trunkと比べると、3万円以上の振込では手数料が高くなります。
そのため、振込件数が多い会社や、毎月の支払い先が多い会社では、手数料面で他のネット銀行も比較した方がよいでしょう。
PayPay銀行は、小規模法人やネット決済系の事業と相性がよい銀行です。
次のような会社に向いています。
PayPay銀行のビジネス用口座は、PayPay銀行宛の振込手数料が0円、他行宛が145円と案内されています。
シンプルに使いやすいネット銀行ですが、融資や対面相談を重視する会社の場合は、ネット銀行だけでなく、日本政策金融公庫、信用金庫、地方銀行などとの関係も意識した方がよいでしょう。
会社設立直後は、まずネット銀行で法人口座を作るのは非常に現実的です。
ただし、将来的に融資を受けたい会社は、ネット銀行だけで完結させない方がよい場合があります。
当税理士事務所では、ネット銀行を解説すると共に、本店所在地がある地域に根差した信用金庫や地銀に口座を作成し、融資を受けられる体制を整えておくことをおすすめしております。
日本政策金融公庫の創業融資、信用金庫・地方銀行からの融資を考えている場合は、事業計画書、資金繰り表、試算表、決算書などを整えて、金融機関に事業内容を説明できる状態にしておくことが重要です。
ネット銀行は日常取引には便利ですが、融資相談や経営相談という点では、信用金庫や地方銀行の方が相性がよいケースもあります。
会社設立直後に法人口座を申し込む前には、次のようなものを準備しておくとスムーズです。
特におすすめなのは、銀行口座開設用の事業計画書を用意することです。
事業計画書があると、銀行に対して、どのような事業を行う会社なのか、どのように売上を上げる予定なのか、どのような取引先があるのかを説明しやすくなります。
会社設立直後で実績が少ない会社ほど、事業計画書の重要性は高くなります。
事業計画書のテンプレートを交付していない金融機関で口座開設を申し込む場合は、ぜひ下記のページから当税理士事務所作成のテンプレートをダウンロードしてご利用ください(無料です)。
法人口座開設で落ちやすい会社には、いくつか共通点があります。
特に会社設立直後は、銀行から見ると、会社の実態を判断する材料が少ない状態です。
そのため、ホームページ、事業計画書、契約書、請求書、サービス資料、代表者の経歴説明などを用意しておくと、事業内容を説明しやすくなります。
審査落ちについてより具体的に知りたい方は、下記のページをご覧ください。
会社設立直後の法人口座は、どの銀行が絶対に正解というものではありません。
ただし、目的別に考えると、次のように選ぶとわかりやすいです。大手の信用力があり、同行あての振込手数料が0円の三井住友Trunkはかなり人気が高くなっている法人口座です。
又、GMOあおぞらネット銀行も他行あての振込手数料が最安値と、強みを持っています。
一方で、楽天サービスを連携したいという目的がある場合は楽天銀行が良いでしょう。
会社設立直後は、まずネット銀行で法人口座を作り、日常の入出金や会計ソフト連携に使うのが現実的です。
そのうえで、創業融資や事業拡大を考えている場合は、日本政策金融公庫、信用金庫、地方銀行、メガバンク系口座との関係づくりも進めていくとよいでしょう。
法人口座の審査に不安がある場合や、会社設立後に融資も検討している場合は、会社設立の段階から税理士に相談しておくことで、事業計画書や税務届出、資金繰りの準備を進めやすくなります。
税理士法人センチュリーパートナーズ
代表税理士 齋藤一生
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税理士法人センチュリーパートナーズは法人設立のサポートを得意とする税理士法人です。
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設立後の税務署への届出書類の作成代行、税務会計の顧問業務、創業融資の獲得など法人設立関連の業務を非常に得意としております。銀行等の金融機関における法人口座の開設のアドバイスも行っております。
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