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開業届を出していないまま売上がある方へ/確定申告していない場合の対処法

個人事業や不動産賃貸を始めたけど、開業届を出していない下記のような方が当税理士事務所にご相談されることがよくあります。

「開業届を出していないけど、売上がある」
「副業のつもりで始めたら、思ったより収入が増えた」
「開業届を出していないから、確定申告もしなくてよいと思っていた」
「何年も申告していないけど、今からどうすればよいのか分からない」

個人で事業や副業を始めた場合、本来は税務署に開業届を提出することになります。国税庁でも、個人事業の開業・廃業等届出書は、事業の開始等の事実があった日の属する年分の確定申告期限までに提出すると案内されています。

しかし、実際には、開業届を出さないまま売上が発生している方も多くいます。

大切なのは、開業届を出しているかどうかと、確定申告が必要かどうかは別問題という点です。

開業届を出していなくても、売上があり、所得が出ている場合には、確定申告が必要になります。逆に、開業届を出していないからといって、過去の売上を申告しなくてよいわけではありません。

この記事では、開業届を出していないまま売上がある方に向けて、確定申告をしていない場合の対処法を解説します。

 

「何年分申告すればよいか分からない」「資料が足りない」「税務署から連絡が来る前に整理したい」という方は、早めにご相談ください。

開業届を出していなくても、売上があれば確定申告が必要になる

開業届は、「個人事業を始めました」と税務署に知らせるための届出です。一方、確定申告は、1年間の所得を計算して、所得税などを申告・納税する手続きです。

つまり、開業届は「事業開始の届出」であり、確定申告は「所得に対する申告」です。

そのため、開業届を出していない場合でも、次のような収入がある方は、原則的に確定申告が必要になります。

  • フリーランスとして報酬を受け取っている
  • 業務委託で仕事をしている
  • ココナラ、クラウドワークス、ランサーズなどで収入がある
  • YouTube、TikTok、配信、投げ銭などの収入がある
  • PayPal、Wise、Stripeなどで海外から入金がある
  • ネットショップ、Shopify、BASE、メルカリShopsなどで売上がある
  • せどり、転売、物販を継続的に行っている
  • 美容、ネイル、整体、占い、コンサル、講師業などで売上がある
  • 建設業、一人親方、軽貨物、配達業などで報酬を受け取っている
  • 暗号資産、NFT、民泊などによる所得がある

国税庁も、給与所得者の副収入として、ネットオークション・フリマアプリ、暗号資産、民泊、NFTなどによる所得を例示しています。

「趣味の延長だから大丈夫」「副業だから申告しなくてよい」「開業届を出していないから事業ではない」と考えていると、後から無申告を税務署に指摘される可能性が高いので注意しましょう。

ちなみに、PayPal、Wise、Stripeなどで海外から入金については申告が不要と勘違いしている方もたまにいらっしゃいますが、日本の居住者であれば申告が必要ですのでご注意ください。

「売上」と「所得」は違います

確定申告が必要かどうかを考えるときに重要なのが、売上と所得の違いです。

売上とは、仕事や販売などで受け取った収入の総額です。
所得とは、売上から必要経費を差し引いた利益のようなものです。

たとえば、年間売上が300万円あっても、仕入れ、外注費、通信費、広告費、交通費、材料費などの経費が100万円あれば、所得は200万円になります。

確定申告では、この所得を計算して申告します。

そのため、まずは次の資料を集めることが大切です。

  • 売上の入金が分かる通帳
  • ネット銀行の明細
  • PayPal、Wise、Stripeなどの取引履歴
  • 請求書
  • 領収書
  • クレジットカード明細
  • 仕入れや外注費の資料
  • 家賃、通信費、交通費などの経費資料
  • プラットフォームの売上管理画面

 

資料がすべてそろっていなくても、通帳、カード明細、メール、取引履歴などから、できる限り売上と経費を整理していくことは可能です。

開業届を出していないまま何年も経っている場合

開業届を出していないまま数年分の売上がある場合、まず確認すべきなのは、過去の確定申告をしていたかどうかです。開業届を出していないこと自体よりも、売上や所得があるのに確定申告をしていないことの方が、税務上は大きな問題になりやすいです。

たとえば、下記のような場合には、無申告となっている過去分の期限後申告を検討する必要があります。

  • 3年前から副業収入がある
  • 業務委託報酬を受け取っていた
  • 源泉徴収されていない売上がある
  • プラットフォームからの入金がある
  • 毎年100万円以上の利益が出ている
  • 税務署からお尋ねが来た
  • 取引先から支払調書を受け取った
  • インボイス登録や融資のために申告書が必要になった

 

期限後申告とは、本来の申告期限を過ぎた後に行う確定申告のことです。無申告の状態で放置するよりも、資料を整理して、必要な年分の申告を行うことが重要です。

 

無申告の場合、状況によっては無申告加算税や延滞税などが発生することがあります。だからこそ、税務署から連絡が来る前に、自主的に整理を始めることが大切です。

開業届は今から出せる?

開業届を出していなかった場合でも、今から提出することは可能です。ただし、開業届を出したからといって、過去の確定申告の問題が自動的に解決するわけではありません。

たとえば、3年前から売上があったにもかかわらず、今年になって開業届を出したとしても、過去3年分の売上や所得がなかったことになるわけではありません

そのため、順番としては、以下の流れで考えましょう。

  1. いつから売上があったのか確認する
  2. 過去の入金や経費資料を集める
  3. 確定申告が必要な年分を確認する
  4. 必要に応じて期限後申告を行う
  5. 今後のために開業届や青色申告の手続きを整える

なお、青色申告をしたい場合には、青色申告承認申請書の提出期限があります。原則として、青色申告をしようとする年の3月15日まで、その年の1月16日以降に事業を開始した場合には、開業日から2カ月以内に提出が必要です。

 

過去分については、後から青色申告にできないケースもありますので、今後継続して事業を行う予定がある方は、早めに手続きを整えることをおすすめします。

会社員の副業でも注意が必要です

会社員の方でも、副業による所得が20万円を超える場合には、原則として所得税の確定申告が必要です。

ここでいう所得とは、売上そのものではなく、売上から必要経費を差し引いた金額です。たとえば、副業の売上が50万円で、経費が10万円であれば、副業所得は40万円となります。この場合、給与所得・退職所得以外の所得が20万円を超えるため、原則として確定申告が必要です。

また、副業所得が20万円以下で所得税の確定申告が不要となる場合でも、住民税の申告は別途必要になることがあります。さらに、医療費控除、ふるさと納税、住宅ローン控除などで確定申告をする場合には、副業所得も含めて申告する必要があります。

そのため、「会社で年末調整をしているから副業は申告しなくてよい」「20万円以下なら何もしなくてよい」と考えるのは危険です。

ちなみに、これまでのご相談者の方の中には、事業所得と雑所得の場合とで手続きの有無が変わることをご存じない方も多かったです。副業が事業所得や不動産所得(不動産賃貸)の場合は開業届を提出しますが、趣味程度の副業で雑所得で申告するのであれば開業届の提出は不要です。又、雑所得の場合には青色申告はできないので気を付けてくださいね。

開業届を出していないまま確定申告していない方の事例

ここでは、開業届を出していない方について、期限後申告することで問題が解決した当税理士事務所へのご相談者の事例を紹介します。

 

事例1:副業でWeb制作等で売上が増えたが、開業届提出も確定申告もしていなかったケース

会社員として働きながら、副業ではフリーランスとしてWeb制作や動画編集を始めたケースです。

最初は月に数万円程度の副収入だったため、「副業だから大丈夫」「開業届を出すほどではない」と考えていました。
しかし、紹介や継続案件が増え、年間の売上が200万円、300万円と増えていきました。

このような場合、開業届を出していなくても、売上から経費を差し引いた副業所得が20万円を超える場合には、原則として所得税の確定申告が必要です。

こちらのお客様住宅ローンを組むことになったのですが、そこで開業届の未提出と、確定申告をしてないことを銀行に指摘されてしまいます。

そちらの金融機関からは、今からでも申告すれば積極的に融資したいということですので、当税理士事務所にご相談いただき、期限後申告完了までのロードマップを作成し、ご安心いただくことができました。実際に融資にも通り、安心していただきました。

→住宅ローンで確定申告書を求められたけれど、無申告のために困ってる方へ

 

事例2:インボイス登録をしたいが、過去に開業届も確定申告もしていなかったケース

取引先から「インボイス登録番号を教えてください」と言われたことをきっかけに、過去の申告状況が不安になったケースです。

ご本人は、開業届を出していないまま仕事をしており、確定申告もしていませんでした。しかし、取引先との関係上、今後も仕事を続けるためにインボイス登録を検討する必要が出てきました。

このような場合、まず過去の売上や所得を整理し、必要な年分の期限後申告を行うことが重要です。
そのうえで、今後の開業届、帳簿作成、インボイス登録、消費税の申告義務などを確認していきます。

インボイス登録だけを先に進めるのではなく、過去の無申告と今後の申告体制をあわせて整えることが大切です。一番いけないことは、「開業届を出さないまま放置し、確定申告もせず、インボイス登録だけすること」であり、これは高い確率で税務調査となることをお伝えいたしました。

確定申告していない場合にやってはいけないこと

開業届を出していないまま売上があり、さらに確定申告もしていない場合、不安になってしまう方も多いです。

しかし、焦って次のような対応をするのは避けましょう。

  • 売上がなかったことにする
  • 通帳を隠す
  • 一部の入金だけを申告する
  • 実際と違う説明をする
  • 架空の経費を作る
  • 税務署から連絡が来るまで放置する
  • 取引先やプラットフォームの資料を捨てる

※税理士として多くの税務調査に立ち会ってきた経験からしますと、売上除外や架空経費計上は脱税と認定されて重加算税の対象となる可能性がかなり高いです。絶対にやめましょう。

特に、銀行口座の入金、プラットフォームの取引履歴、支払調書、請求書、メール履歴などは、後から確認される可能性があります。

大切なのは、最初から完璧な資料をそろえることではなく、まず事実関係を整理することです。

「いつから売上があったのか」
「どの口座に入金されていたのか」
「経費として使ったものは何か」
「何年分の申告が必要か」

これらを整理することで、無申告の状態を解消する道筋が見えてきます。

税理士に相談した方がよいケース

次のような場合は、税理士に相談することをおすすめします。

  • 2年以上確定申告していない
  • 年間売上が数百万円以上ある
  • 通帳やカード明細が複数ある
  • PayPal、Wise、Stripeなどの入金がある
  • 外貨建ての売上がある
  • 取引履歴が多すぎて整理できない
  • 税務署からお尋ねや電話が来ている
  • インボイス登録を考えている
  • 住宅ローン、融資、賃貸審査で申告書が必要になった
  • 会社員の副業で勤務先に知られたくない
  • 消費税が関係するか不安
  • 何年分申告すればよいか分からない

 

無申告の相談では、「資料がないから無理」と思っている方も多いですが、実際には、通帳、クレジットカード明細、請求書、メール、プラットフォーム履歴などから申告内容を整理できることがあります。

税理士に相談することで、必要な資料、申告すべき年分、税額の見込み、今後の対応方針を確認できます。

開業届を出していないまま売上がある方は、早めに整理しましょう

開業届を出していないことだけで、すぐに大きな問題になるとは限りません。

しかし、売上や所得があるのに確定申告をしていない場合は、無申告の状態になっているということです。

特に、最近は副業、フリーランス、ネット販売、動画配信、海外決済サービス、暗号資産、プラットフォーム収入など、個人でもさまざまな形で売上が発生します。

本人は「まだ事業というほどではない」と思っていても、税務上は申告が必要になることがあります。

開業届を出していないまま売上がある方、過去の確定申告をしていない方、何年分申告すべきか分からない方は、放置せず早めにご相談ください。

 

過去の入金や経費資料を整理し、必要な期限後申告を行うことで、無申告の状態を解消できます。
今後も事業を続ける方については、開業届、青色申告、帳簿作成、インボイス対応なども含めて、安心して事業を続けられるように整えていきましょう。

開業届を出していないまま売上がある方は、早めに整理しましょう

開業届を出していないことだけで、すぐに大きな問題になるとは限りません。

しかし、売上や所得があるのに確定申告をしていない無申告の状況になってしまっている場合は、早めにこの問題は解決しましょう。

特に、最近は副業、フリーランス、ネット販売、動画配信、海外決済サービス、暗号資産、プラットフォーム収入など、個人でもさまざまな形で売上が発生します。

本人は「まだ事業というほどではない」と思っていても、所得が出ていれば、原則的に税務上は申告が必要になります。

開業届を出していないまま売上がある方、過去の確定申告をしていない方、何年分申告すべきか分からない方は、放置せず早めにご相談ください。

 

過去の入金や経費資料を整理し、必要な期限後申告を行うことで、無申告の状態を解消できます。
今後も事業を続ける方については、開業届、青色申告、帳簿作成、インボイス対応なども含めて、安心して事業を続けられるように整えていきましょう。

よくあるご質問

ここではよくあるご質問をご紹介します。

開業届を出していないと、確定申告はできませんか?

いいえ、開業届を出していなくても確定申告はできます。
開業届は事業を始めたことを税務署に知らせる届出であり、確定申告とは別の手続きです。売上や所得がある場合には、開業届を出していなくても確定申告が必要になることがあります。

開業届を出していないまま売上があります。今から出しても大丈夫ですか?

今から開業届を提出することは可能です。
ただし、開業届を出しただけで過去の売上や無申告の問題が解決するわけではありません。過去に申告すべき所得がある場合は、必要に応じて期限後申告を行う必要があります。

開業届を出していない期間の売上も申告する必要がありますか?

はい、申告が必要になる場合があります。
開業届を出していなかったとしても、実際に売上があり、所得が発生している場合には、その年分の確定申告が必要になることがあります。

副業の売上でも確定申告が必要ですか?

会社員の副業でも、所得金額によっては確定申告が必要です。
給与所得者の場合、給与所得・退職所得以外の所得が20万円を超える場合などには確定申告が必要になることがあります。ただし、20万円以下でも住民税の申告が必要になる場合があります。

何年も確定申告していない場合、今から申告できますか?

はい、今から期限後申告を行うことができます。
まずは過去の売上、経費、入金口座、取引履歴を整理し、どの年分の申告が必要かを確認します。税務署から連絡が来る前に自主的に対応することが大切です。

開業届を出していないと青色申告はできませんか?

青色申告をするには、原則として期限までに青色申告承認申請書を提出する必要があります。こちらの手続きを行っておけば、開業届を提出していなくても青色申告をすることができます。

開業届を出していないと青色申告はできませんか?

青色申告をするには、原則として期限までに青色申告承認申請書を提出する必要があります。こちらの手続きを行っておけば、開業届を提出していなくても青色申告をすることができます。

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